ブリーチサプリって、どうなの?
センセーショナルな発売から数年経過し、なんだか落ち着きムードのブリーチサプリ。
プレックス/ボンド系のケアブリーチに押され気味です。
けれど、ケアブリーチとは全く違う仕組みでダメージの発生自体を抑え、
しかも併用も可能な、実にケミカルフルなブリーチダメージ抑制システムだったことが判明しました!
WELCOME TO THE DAMAGELESS BREACH
今や、おしゃれカラーには必須となったブリーチ。矯正や様々な髪に負担となる施術があるなか、ブリーチの凶悪なダメージが問題視されています。美容師にとって、その軽減は永遠のテーマ。昔から、2剤の%を落としたり、量を増やしてみたり。昨今では、プレックス/ボンド系などによるケアブリーチが主流となっています。それらとは一線を画す、「ダメージの発生」に目を向けた新しいアイテム。それが《ブリーチサプリ》。ただ、発売から数年経ちますが、ネット上では、正しく理解して使用している美容師さんはほぼ居ない様です。カリスマサロンのガチ検証ブログでも、正しい評価はなされず、「2剤を多くいれるのと大差ない」という有名ブロガー美容師さんまで。ここでは、そのあたりをしっかり解説したいと思います。
ブリーチのダメージ軽減
二剤コントロール
ブリーチのメカニズムは、1剤のアルカリによる、2剤の過酸化水素の分解。そこから発生する活性酸素によるメラニンの破壊です。
2剤の分量を多くすることで、1剤のアルカリを薄め、ダメージを減らします。
また、2剤の濃度を6%から4.5%などに落とすことで、急激に発生する活性酸素を減らし、ダメージを軽減できます。
プレックス/ボンド系
マレイン酸、レブリン酸などの酸物質は、ブリーチ1剤のアルカリをより積極的に中和し、アルカリによるタンパク質の破壊を軽減します。
また、残留したマレイン酸やレブリン酸などが、その後のブロー施術の熱により、毛髪タンパク質を補強します。
ジマレイン酸ビスアミノプロピルジグリコール
その酸によりブリーチ1剤を中和するのはプレックス/ボンド系と同様。一番の違いは、破壊されたSS結合の修復。
ブリーチによるタンパク質の破壊とは、毛髪の主鎖や側鎖の破壊と同義です。
毛髪を構成している18種類のアミノ酸が破壊されます。言うまでもなく、シスチンも破壊されるため、SS結合が壊されていきます。
ジマレイン酸ビスアミノプロピルジグリコールは、その長いアームにより、残留したS同士を繋ぎ、側鎖をつくります。
また、その後のブローによるタンパク質の補強効果も、プレックス/ボンド系と同様です。
メラニンの構造
メラニンには、黄色っぽいフィオメラニンと、茶褐色のユーメラニンがあります。
構造としては、フィオメラニンが凝集し、その周囲をユーメラニンが包み込むように配置されています。
この、ユーメラニンを分解していく施術が、ブリーチなのです。
What are the details of melanin?
Mechanism of Breach Supplement
活性酸素の発生と吸収
ブリーチの2剤は過酸化水素です。
H2O2で表されます。
アルカリに触れることで、H2とO2、それに、電子2eに分解されます。
ブリーチサプリは、多孔性の超微粒子。
その孔(あな)の中は、陽子が吸着しやすい状態。
そこに、過酸化水素から分解された活性酸素が吸収されます。
活性酸素の種類
一口に「活性酸素」と言っても、実は、幾つもの種類があります。
その活性度の違いから、この四つ+一つの活性酸素に分類されます。
その+1が、もっとも活性度の高い、ペルヒドロキシイオン(ヒドロペルオキシルラジカル)。
スーパーオキシドにプロトンが付着したそれは、ヒドロキシラジカル以上にタンパク質に異常をきたし、
メラニンの分解力をほぼ持たない、非常にやっかいなものなんです。
ただ、活性度が高いということは、それだけなにかにくっつきやすい。
ブリーチサプリは、もっともそれを吸着する性質を持っています。
活性酸素吸着の優位性
全くの理想論なのですが…。
もし、ここに、一つだけ、活性酸素があるとします。
O
そして、そのそばに、タンパク質とメラニンが存在したとします。
活性酸素は、どちらに向かうでしょう?
活性酸素は、毛髪タンパクではなく、メラニンに引き寄せられます。
もし、毛髪に塗布した薬剤全体に活性酸素が大量に発生した場合、
本来はメラニンに行きたい活性酸素は、しゃーなしで、毛髪タンパクに向かいます。
そして、ダメージさせます。
もし、メラニン色素よりも発生する活性酸素の数の方が少なければ。
毛髪タンパクに向かう活性酸素は実質、ゼロとなり、毛髪ダメージもゼロとなります。
もちろん、全てそんな上手い具合には進みませんが、
活性酸素の発生数を抑えることができたら。
それが、ブリーチサプリの『多孔質』なんです。
平衡反応により、発生した活性酸素の大部分はその多孔質に吸収され、残りが、メラニンに向かいます。
そこで活性酸素が消費された分だけ、多孔質から活性酸素が放出されます。
そうして、いつまでも、毛髪タンパクへ向かう活性酸素が“ない”状態をキープします。
プレックス/ボンド系のように、phを下げるだけじゃなく、ブリーチ後の髪を補強するだけじゃなく、
毛髪を損傷させる活性酸素のコントロールをすることで、
根本的、抜本的な“発生ダメージ”自体を減らすことができる。
いままでのケアブリーチと、まったく一線を画するダメージケア。
それが、ブリーチサプリの《ハイパーケアブリーチ》なのです。
もちろん、その分だけ、抜けのスピードはゆっくりになります。
だからこそ、毛髪タンパクが守られるのです。
HOW TO
いつものブリーチに5%、併用するだけで、しっかり効果が出ます。
メーカー指定のミックスが、ケア力が最大になります。
時間をかけて、ゆっくりと、大量の過酸化水素を分解し、徐々にメラニン色素“だけ”を分解していきます。
ブリーチ比較
②〜③プレックス/ボンド系
④ジマレイン酸ビスアミノプロピルジグリコール
⑤ヒミツ
⑥ヒミツのブースト
⑦ブリーチサプリ 強ミックス
⑧ブリーチ剤にサプリ5%添加+2剤をサプリの5倍量
⑨ファイバーハンス系
⑩炭酸プロピレン
⑦ ブリーチサプリは抜けがイマイチと言われる所以。
ただし、ツヤツヤというか、濡れてる時もへにゃってない体力が残ってます。
⑧の使い方だと、プレックス/ボンド系と抜けは遜色なく、体力もしっかり残ってます。
切れ毛が非常に少ないのが特徴。
②〜③のプレックス/ボンド系の、いわゆる《ケアブリーチ》は、写真こそ艶やかで綺麗ですが、濡れてる時はヘニャ。
③は切れ毛も多かったです。
つまり、“ダメージしてから補強された”というのがわかります。
④は、②③とはやはり別格。損傷ダメージも少なく、仕上がり感もいい印象。
⑨〜⑩は論外。
長時間放置
⑦を追加30分
左が追加30分。
2レベルほど抜けてますが、損傷はそこまで進んでいません。
⑧を30分追加が左。
かなりしっかり抜けています。
わずかに損傷が進んだ印象です。やはり、5%では受け止められるペルヒドロキシイオンの量に限界がある様です。
以上のように、タイムコントロールや配合りょうでしっかり抜くこともしっかり髪の体力を守ることもできる。
それがブリーチサプリです。
併用OK?
プレックス/ボンド系とブリーチサプリ、そしてジマレイン酸ビスアミノプロピルジグリコールは、まったく別のメカニズムだという事がわかりますね。
つまり、うまく使えば、併用が可能なのです。
ただし、ブリーチサプリはそれ自体がph10程度でブリーチ剤のアルカリ性を維持するよう設計されていますが、
それ以外は強い酸です。
アルカリ性と酸性のものをMIXすると、それを中和しようとする反応から、熱が発生します。
そこにヘマチンやプラチナなど金属イオンがプラスされると、80℃以上にまで発熱することもあります。
(アルミホイルはイオン化されていないので問題なし)
また、しっかりケアブリーチさせようと、各種酸を大量にいれるのも、発熱させるだけじゃなく、単にpHを落とし、ブリーチ効率を下げるだけの結果にもなります。
適量の使用をオススメします。
ブリーチサプリにご興味のあるサロン様、理美容師さんはcontactからおといあわせください
インスタインスタには主にブリーチサプリとジマレイン酸ビスアミノプロピルジグリコールを併用した《ハイパーケアブリーチ》等の施術例をご紹介しています。
経営とサイエンス12月号 誌面で大検証‼︎
これらの毛束実験は、経営とサイエンス編集部からのご依頼で、2022年12月号の記事のために行いました。
ですので、できる限り公正に、今まで自分自身が感じていたダメージやその要因などを改めて探り出すように行いました。
同じ号で、話題の『アルカリ酸熱トリートメント』を含めたブリーチ毛縮毛矯正の記事も担当し、
トータル10p近く、タマが登場していますので、ぜひご購入して、読んでみてくださいね。
ダメージさせてからケアするのか、そもそもダメージさせないのか。
「髪のダメージは回復しない」のは、ケアリストなら常識。
施術の時短を取るのか、デザインを取るのか、ケアを取るのか。
それは、状況により取捨選択が必要かも知れません。
でも、できるだけ欲張りたいですよね。
今回の記事がお役に立てば幸いです。
Tamazon代表 タマ
ブリーチサプリは高い?!
100gで5500円(税別)。
これ、メーカーに問い合わせてみると、価格設定のからくりが見えてきました。
ブリーチ剤と1:1で使用するのが標準マニュアルなのと、2剤を12倍入れるので、
サプリを使わないブリーチ剤と2剤だけの価格と同じ程度になるように設定したそうです。
ただ…
ブリーチ剤の価格が10年くらい前の"定価"でした
ネットディーラーさんも増えて、今って値段崩れてますよね。
だいたい1つ400gで2000円前後。
そこで、Tamazonは提案しました。
「今のプレックス系ブリーチ剤と一人あたりのコストと合わせましょうよ!」
そして実現しました!
期間限定キャンペーン
詳しくはPro専用購入サイトをご覧ください。
Tamazonだけの特別期間限定キャンペーンです!!